鎌倉から
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「竹寺に行こうかぁ」
「それ何処」と不意を疲れた表情を一瞬見せたが、誘いに乗ったから腰を上げドアーの方向に進むと、遅れまいとして慌てて付いて来た。
和歌子は道々バッグの中から取り出したガイドブックを見つめ、この町について赤木に説明すような自分も頷きながら一人喋っていた。
明治以降小説家が住み着いたことや結核などを患った文化人の保養地等だった事に一人感心していた。
「だから古めかしい佇まいがあるのねぇ、この洋風の家はアンティークものねぇ」
「当時はハイカラだったんだろうなぁ」
「歴史を感じるっていいものねぇ」
「でも今の生活を見るとがっかりするよぉ」
「そこまで深読みする必要は無いわ」
小さな石造りの橋を渡ると竹寺の報国寺があり、ささやかな山門を潜り鐘楼を横切ると、裏庭に林立する竹が見えた。
青竹の隙間から斜めに入りる一つ一つの日差しは青みがかった縞模様をつくり隔離された境地を演出している。
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